小児かかりつけ医制度に参加しています

まだまだ急増中!?マイコプラズマ感染症、その危険な理由

国内で急増中の(2024年11月現在)マイコプラズマ感染症ですが、当院でも、いままでになく肺炎の診断が多くなっている印象があります。

こちらではその症状・治療・注意点について、ごく簡単にわかりやすく説明します。

マイコプラズマ肺炎の症状とは?

痰を伴わない「乾いたセキ」で始まることが多く、この段階では肺炎に至っていないことも多いです。

症状が進むと、痰が多い「湿ったセキ」に変わってきます。また熱も高くなってきます。

ただし、マイコプラズマに特有な症状ではありませんので、「熱をともなうセキ」がある場合は、かかりつけ医に相談するのがよいでしょう。

マイコプラズマ感染の潜伏期

マイコプラズマは飛沫感染(セキや会話などによる感染)と濃厚接触による接触感染があります。

感染してから症状が出てくるまでに1〜4週間程度かかります(通常は、2〜3週間)です。その間に、他人に感染させてしまうことが多いです。

マイコプラズマ感染症の治療

一般的に初期に外来でおこなわれるのは

  • 感冒症状に対しての「対処療法」
  • マイコプラズマに対する「抗生剤投与」

この2つがメインになってきます。

マイコプラズマは病原菌のなかでも少し特殊な種類であり、抗生剤によってはまるで効果がないことがあります。

そのためご家庭の常備薬では症状が悪化することもあるため注意が必要です。

肺炎が重症化した場合は、入院治療が必要なことも多いです。

なぜ肺炎がおこりやすい?

ここからは免疫の仕組みの話になります。

マイコプラズマに感染した場合、身体がマイコプラズマを除去しようとして免疫が作動します。

マイコプラズマの場合、これが過剰に作動してしまうことが多く、言い替えると「強い炎症反応がおこる」ことになります。

気管支や肺に強い炎症があれば、いわゆる「気管支炎」「肺炎」となります。

炎症が続けば、マイコプラズマ以外の細菌も入り込みやすく、混合感染のリスクも高くなっていきます。

マイコプラズマが危険な理由

いくつかあるのでリストにしてみました

  • 潜伏期が長く、周囲に広がりやすい
  • 初期症状が「ふつうの風邪」と変わらない
  • 薬の種類によっては効果がないことがある
  • 肺炎を起こしやすく、症状が長引くことが多い

まとめ

気づかないうちに周囲に感染を広げてしまうマイコプラズマ感染症。

抗生剤のチョイスも難しく肺炎も発症しやすいので、「熱のある湿ったセキ」がある場合は、早めにかかりつけ医を受診するようにしてください。